DataDog に Ansible を連携させる ansible-datadog-callback の使い方
DataDog の Ansible Integration が上手く動作しなくて頭を抱えました。
Configuration をよく読むと、 ansible-datadog-callback を入れなさい、と書いてあります。
なるほど、と設定しようとするもどこに何を置けばいいのかわからず困りました。
ローカル側に置くのかサーバー側に置くのかすらわからず迷いました。(答えはローカル側、つまりAnsibleを実行する側です)
以下、やり方です。
- Ansible の playbook があるのと同じフォルダに
callback_plugins
というフォルダを作ります。 - その
callback_plugins
フォルダの中に、
ansible-datadog-callback のdatadog_callback.py
を置きます。 callback_plugins
フォルダの中にdatadog_callback.yml
というファイルを新規作成し、
以下のようにあなたの DataDog API キーを書きます。
api_key: <your-api-key>
datadog_callback.py
の依存パッケージをインストールするため、以下のコマンドを実行してください。
pip install datadog pyyaml
( datadogpy と PyYAML がインストールされます )
あとは普段通りに Ansible を実行するだけです。
……で、終えられたら運がいいです。
私含めたいていの人は
ERROR! Unexpected Exception: No module named datadog
とエラーが出てくることに悩まされるでしょう。
「datadog インストールしたじゃん?!」と悩みます。
このエラーがなぜ発生するかというと brew install ansible
で Ansible をインストールしている場合、
コールバックプラグインの実行に Ansible は自分自身が管理する Python を使い、ライブラリも Ansible 自身が管理するものを参照します。
/usr/local/Cellar/ansible/<ansible_version>/libexec/bin/python2.7
を使うし、
/usr/local/Cellar/ansible/<ansible_version>/libexec/lib/python2.7/site-packages
ディレクトリのライブラリのみ参照します。
このディレクトリには datadog ライブラリはありませんから、
ERROR! Unexpected Exception: No module named datadog
というわけです。
解決方法はいくらか考えられますが、ここでは2つ紹介します。
解決法1 : pip で Ansible をインストール
Homebrew で入れていることが問題と考える場合でのアプローチです。
以下のように、Homebrew で入れている Ansible をアンインストールし、 pip でインストールします。
この方法でも解決しますが、pip よりは Homebrew で Ansible のバージョン管理したいよなーと私は感じます。
brew uninstall ansible pip install ansible
解決法2 : datadog ライブラリへのシンボリックリンクを置く
datadog ライブラリが Ansible 管理の Python ライブラリにないことが問題と考える場合でのアプローチです。
先ほど pip でインストールした datadog ライブラリへのシンボリックリンクを、
Ansible 管理の Python ライブラリフォルダに置きます。
ln -nfs /usr/local/lib/python2.7/site-packages/datadog /usr/local/Cellar/ansible/<ansible_version>/libexec/lib/python2.7/site-packages
(さっきから <ansible_version> と書いていますが、ここはお使いの Ansible バージョンに合わせて書き換えてくださいね)
これでも動くようになります。
問題点は、Ansible のバージョンを上げたときにまた同様にシンボリックリンクを貼る必要があることです。
その観点では解決法1のほうがいいですね。
ちなみに yaml ライブラリは Ansible 管理の Python ライブラリに含まれていますのでシンボリックリンクを貼る必要はありません。
ansible-datadog-callback のREADMEに書いてあったから pip install pyyaml
としていますが、pyyaml はインストールしなくても良さげ。
(pip install ansible
の場合でも依存パッケージとして pyyaml は勝手にインストールされるので)
さて、これで実行できるようになっているはずです! おめでとうございます!
でもこの連携、使い所がいまいち多くないですね。
Ansible の実行結果はローカルで表示されるわけですから、実行結果を DataDog で見られるようにするメリットはそう感じられません。
となると、これが便利なのはサーバー側で別サーバーの Ansible Role を定期的に実行する場合などでしょうか?
例えば GitHub の master ブランチに変更があると CircleCI が走り Ansible Role を実行、
などとなっている場合には便利かもしれません。
成功・失敗程度は CircleCI からでも通知できますが、 Changed が指定した値より小さいときに通知なんてのは、
DataDog から通知設定するほうが楽でしょう。
使い方がわかり取れるデータがわかったところで、この連携は私の環境では不要なのでやめましたが、
Ansible Callback Plugins の導入方法としてはとてもいい勉強になりました。
Ansible で、コマンドが存在するかどうかで処理を変える方法
冪等性(べきとうせい)を考えて、
パッケージ(コマンド)を apt で初めてインストールするときだけ処理をしたい。
という要望が自分の中で湧いてきて、さてどうしようと調べるも、なかなか出てこない。
「already installed ansible」とGoogle検索かけたら以下のサイトがヒットして、とても役立ちました。
Ansibleで冪等性を保つためにはfailed_whenとかstatを使うと便利 - 銀色うつ時間
いろいろ試してみたら、もうちょっと直感的な見た目に書けましたので、
それをご紹介。
それにあたりこちらのサイトも役立ちました。
ansibleでの実行結果のsuccess/failedとignore_errors/failed_whenがよくわからなかったので調べてみた
さて、どうなったのか、以下に書きます。
- name: check exist mysql command shell: type mysql register: exist_mysql failed_when: false - set_fact: is_exist_mysql: "{{ exist_mysql | success }}" - debug: msg="{{ is_exist_mysql }}" when: is_exist_mysql == true
これを実行すると、 mysql コマンドがすでに実行できるときはデバッグメッセージとして
ok: [123.456.78.90] => { "changed": false, "msg": true }
と出ますし、逆に存在しなければ
skipping: [123.456.78.90]
と出力されます。
failed_when: false
でなく ignore_errors: true
と書いてもいいのですが、
ignore_errors は処理は続行されるのですが、エラーメッセージが出力されてしまって、
ちょっと心臓に悪いので、エラー扱いにならない failed_when: false
を使用しています。
なお、 shell: type mysql
としていますが、当然 shell: which mysql
でも構いません。好みです。
(参考 : Bashでコマンドの存在チェックはwhichよりhashの方が良いかも→いやtypeが最強 )
ではでは、作業中なので要点だけで失礼…。
ansible で冪等性を保証するの、難しすぎて苦戦中です……。
【追記(2018/09/25): こっちのがいいかも】
上で ignore_errors がエラーメッセージとして表示されるからヤダって書いてるんですが、
でも type mysql
の成功結果がわからないのも困らない? ってのが最近の考えなので、
今書くとしたら以下の書き方をします。シンプルですしね。
- command: which mysql register: result ignore_errors: true - debug: msg="mysql is not exist" when: result is failed
続・SMF ( Standard MIDI File ) Format1 のバイナリを読んでみた
前回の記事の続きです。↓前回の記事
4D 54 68 64 00 00 00 06 00 01 00 02 03 C0 4D 54 72 6B 00 00 00 17 00 FF 03 00 00 FF 51 03 06 8A 1B 00 FF 58 04 04 02 18 08 00 FF 2F 00 4D 54 72 6B 00 00 00 2B 00 FF 03 00 00 FF 21 01 00 00 B0 79 00 00 B0 00 00 00 B0 20 00 00 C0 28 00 B0 07 64 9E 00 90 3C 64 9E 00 80 3C 00 9E 00 FF 2F 00
前回の記事では、このバイナリファイルのヘッダーとコンダクタートラックまでを読みました。
3行目の13列目、つまり以下のところまでです。
4D 54 68 64 00 00 00 06 00 01 00 02 03 C0 4D 54 72 6B 00 00 00 17 00 FF 03 00 00 FF 51 03 06 8A 1B 00 FF 58 04 04 02 18 08 00 FF 2F 00
今回はその続きを読んでいきましょう。
前回の記事が前提知識となりますので、未読の方は前回の記事を先にお読みください。
トラック(演奏トラック)
4D 54 72 6B 00 00 00 2B 00 FF 03 00 00 FF 21 01 00 00 B0 79 00 00 B0 00 00 00 B0 20 00 00 C0 28 00 B0 07 64 9E 00 90 3C 64 9E 00 80 3C 00 9E 00 FF 2F 00
これがひとつの演奏トラックです。
Domino(MIDI編集ソフト)で見ると以下のようになっている箇所です。
開始宣言
4D 54 72 6B
これを、ASCIIコード表に沿って直すと MTrk 。
「ここからトラックについての記述が始まるよー」というサインになります。
トラックの長さ
00 00 00 2B
10進数に直すと 43 です。
「ここから 43 Byte 続くよー」と言ってくれています。
トラックのタイトル
00 FF 03 00
トラック名の指定です。
前回のコンダクタートラック同様、何も名付けていません。
ポート番号の指定
00 FF 21 01 00
ここから前回にはなかった新しい要素、
まずは「ポート番号の指定」です。
「FF 21」で「ポート番号の指定を始めますよー」という合図、
次の「01」が「それに1Byte使うよ」という宣言で、
最後の「00」で「Port A」だと言ってくれています。
Port Bの場合はここが「01」になります。
リセットオールコントローラー (CC#121)
00 B0 79 00
最初の「00」は0Tick経過したところで、の意味。(前回記事参照)
そして次の「B0」、これは「チャンネル1にコントロールチェンジを送るよ」という合図です。
最初の「B」がコントロールチェンジを指すサイン、
次の「0」がチャンネル1を表しています。
なので、チャンネル2にコントロールチェンジを送るなら「B1」、
チャンネル16にコントロールチェンジを送るなら「BF」というふうになります。
そして、その次の「79」がコントロールチェンジ番号を表していて、
「79」を10進数に直すと121(7 * 16 + 9 = 121)。
コントロールチェンジ番号121「リセットオールコントローラー」を指します。
この信号でピッチベンドや音色などは初期値にリセットされます。
「79」の次にある「00」はValueで、リセットオールコントローラーの場合は別にどんな値でもいいんですが、通常は「00」としておきます。
バンクセレクトMSB (CC#0)
00 B0 00 00
「チャンネル1にコントロールチェンジ0番を送るよ」という合図になります。
コントロールチェンジ番号0は「バンクセレクトMSB」です。
MIDIの各チャンネルの音色は、
プログラムチェンジ と MSB と LSB の組み合わせによって決まります。
それぞれ128種類あり、MIDI音源は最大で 128 * 128 * 128 = 2,097,152 音色持てる計算になります。
今回の場合は、
プログラムチェンジ : 41(バイオリンの音色)
MSB : 0
LSB : 0
で、実際、「B0 00」のあとの最後の値(Value)は「00」です。
バンクセレクトLSB (CC#32)
00 B0 20 00
「チャンネル1にコントロールチェンジ32番を送るよ」という合図になります。
コントロールチェンジ番号32は「バンクセレクトLSB」です。
最後の値は「00」なので、LSB = 0 ということになりますね。
プログラムチェンジ
00 C0 28
チャンネル1にプログラムチェンジを送っています。
コントロールチェンジは「B」でしたが、プログラムチェンジは「C」で始まります。
ですので、チャンネル1にプログラムチェンジを送る合図は「C0」です。
その次の「28」が値(Value)で、10進数に直すと40……なんですけど、
ここの値は「00」(つまり0)から始まる一方、プログラムチェンジは1~128で規定されていますので、ここは41とお考えください。
GM規格ではプログラムチェンジ1~128が規定されており、
1 は Acoustic Piano、41 は Violin の音色です。
このチャンネル1はヴァイオリンの音色で鳴らされます。
ボリューム (CC#7)
00 B0 07 64
チャンネル1のチャンネルボリュームを100に設定しています。
「チャンネル1にコントロールチェンジ7番を送るよ」という合図で、
コントロールチェンジ番号7は「チャンネルボリューム」です。
最後の値(Value)は「64」なので、10進数に直すと100、トラックの音量は100です。
(なお、最大値は127です)
「ド」を鳴らす
9E 00 90 3C 64
設定が続きましたが、ようやく演奏の部分です。
最初の「9E 00」は「3840Tick経過したところで」の意味になります。
詳しくは前回記事のTickの項を読んでもらうとして、
9E - 80 = 1E で、これを10進数に直すと30。
「9E」の次は「00」で、「80」より小さな値ですからTickの値の指定はここまでとわかります。
よってTickは
128 * 30 + 1 * 0 = 3840 Tick と計算できます。
そして続くのが「90 3C 64」の部分。
「90」は「チャンネル1のノートON」を示します。
コントロールチェンジは「B」、
プログラムチェンジは「C」でしたが、
ノートON(音符の開始)は「9」が目印と決まっています。
そして音の高さは「3C」、10進数に直すと60、これはC4。MIDI音源にもよりますが、ト音記号のドの音です。
ヘ音記号のドの音はそこから12小さい48、16進数で表すと「30」の音です。
そして最後の値(Value)の「64」、10進数で表すと100であるこれが、
音の強さ(Velocity)の値を示しています。
「ド」を止める
9E 00 80 3C 00
先ほど鳴らしましたドの音を3840Tick経過したところで停止します。
「9E 00」が「3840Tick経過したところで」の意味、
そして次の「80」は「チャンネル1のノートOFF」を示します。
ノートON(音符の開始)は「9」でしたが、ノートOFF(音符の停止)は「8」というわけです。
で、どこのノートを止めるかというと「3C」の高さの音、
先ほど鳴らしました「ド」の音ですね。
そして最後の値(Value)が「00」です。
ノートOFFの音の強さ(Velocity)、「ノートオフベロシティ」は、
ごくごく一部のMIDI音源がリアルな演奏のために対応しているのですが、
ごくごくまれすぎるため、たいていのMIDI編集ソフトはここを0として処理します。
私がはるか昔に使っていた「Music Studio Producer」なんかは、ノートオフベロシティも編集しやすいようになっていましたね…。
トラックの終わり(End of Track)
9E 00 FF 2F 00
前回のコンダクタートラック同様、トラックの終了宣言をおこないます。
「9E 00」が「3840Tick経過したところで」の意味で、
「FF 2F 00」が「トラック終了(End of Track)」の意味です。
このトラックは4小節目の0Tick目で終了で、解説もこれで終了です。
おわりに
というわけで、2回にわたって続きましたMIDIファイルバイナリの解説、いかがでしたでしょうか!
バイナリって「難しそう」「マニア的なもの」という印象でしたが、
こうして覗いてみると、理路整然としていて思いのほかわかりやすいものであると感じました。(調べるの大変でしたけど…)
この記事を読んでくださった方も同じように感じてくださったのではないでしょうか?
こうなってくると png ファイルとか wav ファイルも気になってきますよね?
wav は読むの大変そうですが、でも気になる……。
最後に、今回参考にしたサイトを以下にまとめておきます。
- SMF(Standard MIDI File)フォーマット解説 | 技術的読み物 | FISH&BREAD
- MIDIについて
- SMF (Standard MIDI Files) の構造 - Welcome to yyagi's web site.
- MIDI1.0規格書
ここまで読んでくださった方々、どうもありがとうございました!
そして流れを無視して貼っておくアフィリエイトリンク……
(接続部がよくある miniB端子でなく microB端子だからか、この1年くらい使ってるけど抜けにくくてけっこういい感じ)
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